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当クリニックは平成18年11月1日に開院いたしました。
今までは心臓血管外科という立場から専門分野に身をおきつつ、循環器内科のカテーテル治療や一般外科医としての研鑽を積んできました。
開院後からは総合診療医としての立場から、日々の診療を通じて地域のかかりつけ医を目指して努力を続けております。
また、下肢静脈瘤については、今までの経験を十分に活かした診断・治療を行っております。
今後も皆様に愛されるクリニックとして、スタッフ一同邁進してまいりたいと思います。
院長 二宮 善弘
下肢の血管のうち、静脈は下肢から心臓に向かって血液を戻す血管であり、主に皮膚に近い部分に分布する表在静脈と、筋肉の内部を走行する深部静脈に分けられます。静脈内の血圧は低いため、下肢の静脈の血液が重力に逆らって心臓まで戻っていくにはいくつかのメカニズムが働いています。そのひとつが静脈の血管の中に存在している静脈弁の存在であり、もうひとつは筋肉の収縮です。下肢の筋肉が収縮するときに静脈内の血管はつぶれ、それに伴い下肢の血液は静脈弁の存在により下から上に押し上げられ、押し上げられた血液は静脈弁の存在により筋肉が収縮しないときも下に降りることなくとどまっています。これが繰り返されることによって、下肢の血液は下肢に滞ることなく心臓に向かって流れていくことができます。
いろいろな原因(遺伝性素因、立ち仕事、妊娠など)により慢性的に静脈内に血液が滞る状態が続くことにより静脈弁が破壊され機能不全に陥ると、更に静脈内での血液が滞り、それが続くことにより血管が拡張し変形することにより、静脈瘤が形成されます。これにより下肢のむくみ、だるさ、痛み、かゆみ、こむら返りが出現し、更に進行すると静脈炎、皮膚炎、色素沈着、皮膚潰瘍などの合併症を引き起こすこともあります。
手術によらない下肢静脈瘤の治療方法に圧迫療法(弾力ストッキング)があります。根治的治療にはなりませんが、下肢静脈瘤による様々な自覚症状(重い、だるい、痛み、むくみなど)を軽減させる治療として、弾力ストッキングを装着することで自覚症状の軽減が可能です。
当院では弾力ストッキングの試着、貸し出し、販売を行っております。患者様のニーズに合わせてスタッフが丁寧に対応させていただきます。貸し出しは1週間程度となります。詳しくはスタッフまでおたずね下さい。
これらの静脈瘤に対して、静脈瘤になってしまった血管への血液の流入を止めるために血管内に硬化剤と呼ばれる薬剤を注入したあと脱脂綿を折り曲げ圧迫を保持して、血管を閉塞させる治療が硬化療法です。麻酔は行いません。
静脈瘤の中でも大伏在静脈と呼ばれる血管(くるぶしの内側から下肢の内側を通って太ももの付け根で筋肉の中を走行する深部静脈と合流する血管であり、下肢の表在静脈の中で最大の血管です)の根元に逆流がある場合、他の血管に対していくら治療を行っても効果がありません。そのため、静脈瘤がある程度高度であり、かつ硬化療法単独で治療が困難な場合には、大伏在静脈と深部静脈の合流部で血管を結紮・切離(血管を縛って切り離すこと)する治療があり、これを高位結紮術といいます。また、この部位とは別に硬化療法では治療が困難な部位が複数ある場合、個別に血管を結紮・切離する必要があります。当院ではこの手術について日帰り手術を行っております。詳細は当院までお越しください。
静脈瘤の拡張がかなり高度で、前述の高位結紮術などで対応出来ない血管についてはストリッピングと呼ばれる手術の適応になることがあります。これは静脈瘤の中にワイヤーを通した後、ストリッパーと呼ばれる器具で血管ごと抜去するという手術です。当院ではこの手術について日帰り手術を行っております。詳細は当院までお越しください。